Kazuki Muraoka「Parallax」
友人がアルバムを発表しました。
Kazuki Muraoka「Parallax」
昨年の夏だっただろうか。CMFLGのDelaさんが主宰するレコード市場で知り合いました。
彼はプレスに半年かかった12’epを持って来ていて、僕はそれを買ったんだけど、これが才能の塊でビックリしました。
なぜ半年かかったかというと、アメリカのプレス工場で行ったのも、米国籍でない人も納税証明書みたいなものが必要で、その番号を発行してもらうのにgoogle翻訳を使って時間がかかったとか。
この番号は個人でiTunesとかからiTunes UやPodcastをやる時に必要で、自分も過去にトライしましたが挫折しました。
この「Parallax」は12’epの頃から思わせたAutechreの影響とそれを消化した内容の作品になっていて、僕は個人的にすごく好きです。
聴いてまず思ったのはサウンドが垢抜けていることでした。いよいよ日本からもこうしたアブストラクトの極みを行くクリエイターが出てきたか、と嬉しくなりました。
それはKazukiさんがコレクションするモジュラー・シンセなのか、Nuendoでレコーディングしているのか、あえて外部の音として録り込んで分離をよくしたのか…謎が謎を呼びますね。
それから言っておきますが、Autechreみたいな音楽ではありません。これは自分の体験談ですが、Autechreを目指しても簡単にはそれらしいサウンドは作れません(ここを強調)。
曲はほとんどが4分半にまとまっていて聴きやすいです。テクノってなんで無茶して7分半もあるんだろう。ほとんどのアーティストにテキストとしてのメッセージはそんなに感じないんだけど。
だが、Kazukiさんのサウンドにはメッセージを感じる。断片的ではあるが、音の一つ一つが独立していて、それらが上手く絡んでいて、その断片は決して長く引きずることはない。「Comet Dance」にはやられてしまった。究極です。もしかしたら日本の飢えた耳を持つリスナー達にとって「宝」になるかも知れません。それほどインテリジェンスがあって素晴らしい作品です。
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