Paina「Excursion」インタビュー




僕のお友達がデビュー・アルバムをリリースしました。その名はPaina。ENPEGというレーベルからで、実にエクスペリメンタル!インタビューを試みました。では、どうぞ!

Q:Painaさん、まずはデビュー・アルバム「Excursion」のリリースおめでとうございます!アルバムを発表後の心境はどうですか。みなさんに待たれていたと思います。

A:ありがとうございます!アルバム発売前にSNSで告知をしました。そのときに多くの方々に反響をいただき、嬉しいと同時に驚きました!
ライブを観てくださった方に「曲はどこで買えますか?」など聞かれることがあったので、答えられるようになったとホっとしています(笑)

Q:この「Excursion」というタイトルの意味を教えてください。直訳すると「遠足」ですが、Painaさんの音楽は遠足のように楽しく自分の世界でワクワク通られているのでしょうか?

A:「遠足」のほかに「小旅行」という意味もありその両方を含んでいます。
自宅からライブ会場まで2時間弱かかるときは機材と一緒に小旅行をしている感じです(笑)




Q:1曲目の「Nostspac」。ノイズ・アンビエントですね。僕がノイズ・アンビエントに目覚めたのは、アメリカはミズーリ州を拠点に世界発信しているRoil Noise Recordsでした。そのレーベルにCircle Six(現在活動休止中。Webもない)というReaktor使いがいて、彼と友達になったことがきっかけでノイズを再評価するようになりました。Painaさんはどうしてこのような音楽を作ろうと思いましたか?

A:ノイズへの興味はギター用のエフェクトペダルがきっかけです。fuzzdistortionなどの歪み系のジャリっとした音の質感が好きです。

Q:僕がPainaさんと出会ったのはTrench Warfareのボス、bunaさんの家の鍋パーティーでした。懐かしいですね。当時からElektronのシンセサイザーたちを持っていましたね。今回の作品で機材は何を使われましたか?

A:所有している様々な機材を使用しました。中でも、ElektronOctatrackはとても重要な機材でした!




Q:2曲目の「Popimonspmfee」。この単語は造語ですか?それにしてもシーケンサーで組んだとは思えないほどのノイズのかたまりですね。それでいながら、リズムもあるような・・・素晴らしいと思います。

A:ありがとうございます!「Popimonspmfee」は造語です。おっしゃる通り、シーケンサーはつかっていません。
この曲はエフェクターのみ10台以上使用して作りました。元となる音もエフェクターをフィードバックさせた音です。

Q:Painaさんはライヴはまだ見たことがありませんが(失礼)、音源で曲構成を作るのに苦戦していると聞きました。この「Popimonspmfee」は一発録りでしょうか?

A:一発録りです。エフェクターのON,OFF、エフェクトのかかり具合、ミキサーのつまみやスイッチを操作して音を変化させました。

Q:Curiosity」はとても印象的な曲ですね。ミズーリのノイズ・シーンを彷彿とさせます。Painaさんとしてはこの曲の位置付けはどのようなものでしょうか?

A:この曲はアルバムの中でもメインとなる曲だと感じています。

Q:Thxintsnr2」は素晴らしい曲ですね。Ovalを筆頭にThrill Jockyのサウンドをを想像させます。

A:ありがとうございます。ほんわかした感じの曲を作りたいと思ってできた曲です。
鍵盤を弾いてメロディを考えました。シンセサイザーの音色の変化が良い効果をだしていると思います。

Q:A0000008」この曲をギター用のエフェクターのみで作ったとしたらPainaさん、あなたは天才だ!

A:エフェクターだけではなく、この曲はギターを弾いて作りました(笑)

Q:Nextsplash」はサンプリングも使っていそう。Elektronのサンプラー持ってましたよね。bunaさんの鍋パーティーで実奏してくださった・・・

A:おっしゃる通りです!ElektronOctatrackを使いました。シンセなどを録音してElektronOctatrack(サンプラー)で加工しました。
元の素材から新たな音やフレーズを作るのが楽しいです。

Q:Emit」この曲も素晴らしいです。Carl Storn的でもありますね。DAWは使っていますか?左右のノイズがだんだんリズミカルになってくる・・・

A:ableton Liveに一発録りをして、EQ調整しました。リズミカルになるのはEventideTimefactor(ディレイ)を使っています。
Timefactorはこのアルバムで使用頻度が一番高かった機材です。ライブでも重宝しています。




Q:Nmkpnwoo」かっこいい!イントロから掴みます!!アゴタ・クリストフの「悪童日記」を連想させますね。文学で例えるのならば。

A:恥ずかしながら、「悪童日記」を読んだことがありません。しかし、連想していただけるような曲を作ることができてとても嬉しいです。


Q:Cuero」これ、一発録りだったらすごいな!もうお酒飲んでないのに酔っ払っちゃうみたい!!他人事は思えません!!位相はテクニックとして使っていますか?AOKI takamasaさんが得意な。

A:一発録りではなく、ableton Liveで編集しました。Octatrackで加工した音をableton Live上に並べていきました。
印象的な音(音色)を作って曲の中で使いたいと思っているので、そのように感じてもらえたら嬉しいです!
位相のズレが生み出す効果は好きなのでよく使います。

Q:Iwfypee」この曲でもって「小旅行」は幕を閉じます。どうですか?僕は一本の映画を見たような満腹さがあります。

A:アルバム全曲を細部まで聴いていただけて光栄です。ありがとうございます!
Iwfypee」は浮遊感を体感できると思いますので、低音のでるスピーカーで聴いていただきたい曲です。アルバム最後の曲ということを意識して作りました。
ストーリーを感じられる作品を目指したので、そう言っていただけると本当に嬉しいです!

Q:ベリンガーの安いモニターで聴いていますが、LOW CUTなフィルタリングも上手いし、マスタリングにはこだわりがあったのではないのでしょうか。Pakcheeさんなんかが得意そうですけれど。もし良かったら機材の一部を教えてください。参考にしたい若い世代がいると思いますので。

A:マスタリングはENPEGにお願いしました。色々と希望を聞いていただきました。とても感謝しています。

Q:僕はこのアルバム、相当フェイバリットになってしまいました。だって、Painaくんらしくない、というか。Mizukage Recordsの時代とは音作りが全く違いますものね。Reaktorでもこのような音は出せますが、ハードでここまで湿度が低く(良い意味で)、暑苦しくないサウンドは久しぶりに聴きました。最近のエレクトロニカは元気がないと思っていましたが、Painaさんの登場は輝かしいものがあるのではないのでしょうか。ここまで出し切った感じがありますね。素晴らしい(この言葉を何度も使うと効果が落ちる??)作品を届けてくれてありがとうございます。今度はライヴを見に行きたいと思います。

A:ありがとうございます。2013年の秋頃にエフェクターだけで音を出すライブをやった事が一つの転機だったと思います。また、Octatrackを使うようになって音色作りの幅が広がりました。

これからもライブやリリースなど音楽活動を続けていきますので、宜しくお願いします。

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Bandcampは視聴もできるので、聴いてみて気に入ったら是非購入してみてくださいね。

久しぶりに現行のアーティストで聴いてみて焦ったアルバムでした。
Painaさんの今後に期待です!!!

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