DAT

昨日で東関東大震災から2年目となった。
被災された方々へお悔やみ申し上げます。

オレ様の部屋も滅茶苦茶になりました。
モニター・スピーカーが飛んできた時には焦ったし、昼間一人だったので、
恐怖感が半端ではなかった。

オレ様は来米すると宣言したが、今年は無理そうだ。
まだ秘密だが、今年新たなリリースがある。
それに向けての作業は一段落した。

オレ様は、現在自分のルーツを辿る旅をしている。
セカンド・サマー・オブ・ラブ以降、
作り溜めて来た音源を聴き直している。
メディアはDATとMDだ。

しかし、DAT機器は壊れてしまった。
23年前の音源が眠っている。
聴きたい・・・
そう願ってオークションを覗いてみた。

SONYにも問い合わせたが、DAT機器は6年ぐらい前に、
どこのメーカーも生産を終了しており、
修理のパーツすら無い、と言う現状だ。

ハッキリ言って、ヤフオクは狂っている。
出品されているDAT機器の殆どが「ジャンク品」であり、
それでも20件ぐらい入札がある物もある。
中には「使用済みDATテープ」や、DATテープを入れる「棚」
まで出品されていて、入札も入っているのだ。
「棚」なんて、日曜大工のもはやDATとはまったく関係無い。

オレ様は「完動品」で、「即決」な物を探す。
待てねえからだ。
それに、ヤフオクは「自動延長」と言うシステムがあり、
欲しいヤツは競って入札バトルをし合う。

オレ様は中古のTASCAM DA-25と言う業務用を買った。


しかし、出品者がジャパンネット銀行ではなくて、
連休を挟んで、発送も一日遅れたので、
落札してから到着まで6日間かかった。

その時点で頭に来ていたのだが、
DATテープを入れて、聴いてみると、以下のメッセージが現れる。


巻き戻しも出来ないし、肝心の大切なDATテープが切れてしまう、と言う事件もあった。
オレ様は丁重にクレームを書いて取引ナビで連絡を取った。
そうしたら、以外に理解のあるヤツで、
金を返してもらえた。

DA-25も送り返したが、
「こちらで4時間走らせましたが異常は無いです」と言って来た。
「そちらのDATテープのせいかもしれません」
「お節介かも知れませんが、秋葉原の高級オーディオ店へ行って、
あくまでも品定めという意味でDATテープを聴いてみてはどうでしょうか?」

シカトだよ、お前なんか。バッタもん出品しやがって。

金も返してもらったし、またヤフオクで一台買った。
「完動品」だそうだ。

SONY DTC-300ESだ。


出品者が大阪のオーディオ専門のリサイクル・ショップであった。
土日、祝日は休みなので4日間待った。

全然「完動品」じゃねえじゃねえか!

DATテープは切れるし、巻き戻しは出来ねえし、テメエらふざけてんのか?
ぶっ殺すぞ!!

今度は出品者の店に電話した。
ヤフオクにおいてメール、取引ナビは当たり前でも、
電話はあまりしないのが、エチケットだ。

事情を丁重に話すと、
今日中に梱包し直して佐川の着払いで送り直してくれ、とのことで、そうした。
それからは、時間がかかった。

再生出来なかったDATテープの音源を、
当時友達に配っていたカセットテープで持っていて、
悪い音質だが、Pro Toolsに録り込んで、
それを愛聴していた。

もはや、23年前の音源をハイ・クオリティーの音質で聴くことは無理なのでは・・・

こちらから電話しないと、向こうからは何も返事が無いので、その辺も頭に来てた。
やはり「こちらでの動作不具合は無い」とのことで、
そのバッタ物を送り返す、しかも佐川の着払い往復代金を振り込んでくれ、
と言いやがった。

死ね。

その間、MDも漁ったのだが、たしかにDATからコアキシャルでMDに
落とした音源も発掘出来たが、
オレ様が聴きたいのは23年前の音源だ。
ふざけんな。
ぶっ殺す。

2週間経った。
電話した。
「SONYにも問い合わせたが、やはり異常は無い」の一点張りで、
負けを認めようとしない。
そこが関西人の残念なポイントだ。

「代がい品を送ります。送料はお時間がかかったので、申し訳なく
こちらで負担します」。

DATのことは忘れるから金返してくれよベイビー。
むかしの元カノに会いたいスケベ爺みたいだしー。

「代がい品のチェックも行ったが、不具合がでた、それも2台立て続けに」
「来週複数台入荷しますので、もう少々お待ちください」

そして、代がい品が届いた。
オレ様は、amazonでもお急ぎ便しか頼まない。
伝票番号を教えてもらうので、
朝8時に起きて、佐川に電話して、「今すぐに届ける様に」と言う。

SONY DTC-A7だ。


切れたDATテープはどうするか?
一番細いドライバーでケース開けて、テープとテープを
セロハンテープで留めるのだ。
むかしカセットでエンドレス・テープを作ってた様に。

それに、ケースによっても受け付けない物もあったので、
比較的新しい、何にも価値がないDATテープとケースを交換する。



まるで、フランク・ザッパかマッド・プロフェッサーみたいだろ?
巻き戻しは、切れると困るので、ハサミを少し広げて、
留め直したテープの穴に刺して、手動でくるくる巻いて行く。
1本30分ぐらいかかる。

音が出た!!!

巻き戻しが面倒くさいので、録れるとこから録ったのもあった。
そして、3日間かかって、手持ちのDATテープの9割を録り込んだ。
中には途中で「ブチッ」と言う音が入るのもあったが、
今まで再生すら出来なかったDATテープが再生出来た。

元々ループ物が多い音楽なので、途中で音が途切れたりしたら、
Pro Toolsで同じところ掴んでコピペしてリペア出来る。

ハッキリ言って、マスタリングさえすれば、すぐにCD化出来る音質だ。
20年前は、Pro Toolsを始めとしたDAWなんて無いから、
カセットテープのMTR 

TASCAM PORTASUTADIO 424


に、MTRとシーケンサーを同期させる、4trの1chにMIDI信号を入れる、

TASCAM MTS-30


を使って、DAT一発録りが主流だった。
今時のDAWでプラグインなんてものは無いから、
コンプレッサーを沢山かけたりの余裕なんて無い。

ループ物でいいならば、サンプラーにギター弾いて録って、
プレイさせていた。

当時のAKAIはS1100が、内蔵エフェクトをかけられたが、
Cut Offは付いていても、Resonanceが付いていなかったので、
RolandのS-750を使っていた。
Resonanceは、音に倍音を持たせるので、
それを効かせてCut Offを回すと、サンプルがシンセみたいになるのだ。

それか、金をかけてスタジオに入り、当時は48chマルチだから、
そこで良い音にきちんとしたエンジニアに処理してもらう。

ここ10年ぐらいで、DAWでテクノ、エレクトロニカ作ってるヤツらは、
こんな時代があったなんて知らないだろう。
CPUが許す限りソフト・シンセ100個立ち上げられたにしてもだ。
オレらの時代は、シンセを毎月1台買う、
音源モジュールもKorg M1が16マルチで、
シーケンサーもハード機器だった。

Abelton Live!なんて使い物になんねーよ。
それに、今思うとReaktorだろうが、MAXだろうが、
ソフト・シンセは音が薄っぺらい。
ぺらいんだよ、お前らは。

コントロール・チェンジなんかは、一音一音1〜127の数値で入力しなくてはならず、
プログラム・チェンジだって使いこなしていた。

今なら2万で買えるMACKIEのミキサーだって、当時は20万した。
だから、安いミキサーでセンド・リターンも2系統ぐらいしか付いてなくて、
ディレイとリバーブで精一杯だった。

印刷で言うと版下を身に付けている、と同じだ。
IllustratorやPhotoshopなんて、どこのバカでも使いこなせるだろう?

オレ様が「すげえ」って思うテクノ、エレクトロニカは2000年代以降は、
聴いたこともないし、観たことも無い。

ラップトップのライブなんて、TraktorのDJなんて、突っ立てるだけだろうが。
VJがいたってつまんねーの。

それに、80'sリバイバルは来ていても、90'sの特に初期、
アシッド・ハウスや、アンビエント・ダブは、
オレ様の中では永遠だぜ。

あと、1本大切な、オレ様の初のソロ「Mother」のマスタリング済みの
DATテープがあるから、それを録り終えたら、完璧だ。

DATテープの皆さん、お疲れさまでーす!


ちなみに、出品者に対しての評価はシカトです。

お釈迦になったDATウォークマン
SONY TCD-D8



90年代中期から、X-DREAMを始めとして、
トランスが流行った時、
みんなこれ2台でDJしていた。

トランスはイントロとアウトロが
アンビエントっぽいので、
リズムが無く、そこで曲を繋いじゃえ、と言う安易な考え。

ゴア・トランスを筆頭に、
トランスからテクノに入ったヤツらはバッド・テイストだ。

LSDとマリファナ。
そんなもんが無くてもテクノは充分楽しめる。

こんなもん、燃えないゴミで捨ててやる。


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