島村楽器
まずはじめに、オレ様は石橋楽器、もとい糞橋楽器では
ピック1枚でも買わない。
まだオレ様が20代前半の頃、東京に住んでいた時代に、
渋谷のTOKYU HANDSの近くにあった(元々タワーレコードだった)
糞橋によく通ったが、店員さんが偉そうなヤツらばかりで、
バブル崩壊寸前と言う事もあって、
潤っていたからだ。
しかし、そんな時代は終わった。
幼少の頃からの息子にバイオリンを教えるために、
島村楽器さんのスクールに通わせた。
それが今から10年前だ。
今息子はバイオリンはやっていないが、
フルートやギターをやり、
絶対音感を持っているし、耳も良いので、
楽器は何をやっても上手い。
そして、今は娘が島村楽器さんのバイオリン・スクールに通っている。
だから毎週車での送り迎えに島村楽器さんにオレ様も行くのだ。
娘はもう4年通っている。
小学校では部活でフルートをやっている。
どちらにしても、2人共に楽譜に強い。
大人になって、何があるかは分からないが、
楽器を弾ける=音楽が好きだ
と言う事を物心付く前に教えておきたかったのだ。
今年のお盆には帰省出来なかったのだが、
今まで自分が使っていたギターのメンテナンスをしていた。
しばらく弾かなかったギターもあったし、
ネックが順反りしたものもあった。
また、父親から送ってもらった、
どちらにしても、全てのギターを島村楽器さんに持って行って、
リペアを頼んだ。
中には自分でパーツを買って、ハンダ付けして直ったのものあったが、
一度ネックの反りを直してもらって、
まだ弦高が高くて、ボックスレンチを買って、
自分で調整して、ブリッジも削って、
結局は音がビビってしまって、というギターもあった。
MartinのOO-15もブリッジを削ってしまって、ダメになってしまった。
オレ様のこれからの生涯の相方MartinのOO-15とYAMAHAのFG-110を
やはりプロのリペアマンに頼んで直してもらった。
島村楽器さんは毎週月曜日にギターのリペア工房の人が取りにきて、
毎週月曜に出来上がって来ると言うので、
オレ様は10日以上待った。
その間にLittle Martinがあったが、
その2本を楽しみに待っていた。
取りに行く前の日に、日曜の夜は
楽しみ過ぎて、眠るのに時間がかかった程だ。
そして、取りに行った。
確かに、オレ様がネットで情報を集めた中からのリクエストで、
12フレットで4mmにはなっていた。
しかし、それでは思ったより弦高が高かった。
弾けない事は無かった。
オレ様はどんなに弦高が高いギターでも弾ける握力を持っているし、
それだけ毎日長時間練習をしているからだ。
しかし、もう一度リペアに出すと言う事になった。
日曜の夜にあんなに待ち遠しくて、
持って帰ってから弾き倒してやる、と思っていた事が、
最速でも金曜日に出来上がると言う。
オレ様は心の中で感情的になり、
怒りと悲しさがこみ上げて来たが、
「お願いします」
と行って帰った。
帰り道にドライブでは音楽は耳に入らなかった。
帰宅してすぐに島村楽器さんに電話して、担当の人に代わってもらい、
「やはり待てない、水曜日までにお願い致します」
とダメ元で行ったら、担当の人が、
「今から工房に持って行きます」
と言って、水曜日に出来上がった。
担当の人は火曜日に工房に一日いて、
一番偉い工房長の人と2人で頑張ってくれた。
水曜日に取りに行った。
担当の人は会議があり、午後6時以降の出勤と言う事であったが、
オレ様は待てなくて昼間に取りに行った。
2本とも最高のギターになっていた。
1本目はYAMAHAのFG-110。
ナットもブリッジも交換してあって、
音のビビリも解消してあった。
ナットに関しては、1フレットからビビらない様に
調整してあったので、
1フレットで2mm、12フレットで4mmだった。
しかし、何mmという問題ではない。
もう、ここまで来たら、オレ様の手と同じ様なものだ。
このギターを弾き倒して、弾く事に慣れてしまえば良い。
そう思って3時間このギターで練習している。
それから、もう1本Martin OO-15
このギターもFG-110と同様にメンテナンスしてあって、
感想としては「まったく問題無し」であった。
短い時間の間に、担当の人と工房長さんの中で、
まず2本のギターの特性を見極め、そして、
それを修理したのだから、
かなり頑張ってくれた、と思った。
実は、YAMAHAのFG-110は、東京の祐天寺にあった
中古楽器古道具屋で5000円で買ったジャンク品で、
最初っから弦高が高かったため、
ドブロ・ギターの様に使おうと考えていた。
しかし、バンドも忙しくなって来たので、
オレ様の実家の部屋に20年以上も眠り続けていた。
それを昨年持って帰って来たのだ。
オープン・チューニングにしての鳴りは最高であったからだ。
今回のこの2本のアコースティック・ギターの修理は、
まさにプロジェクトXだった。
そして、結構いじくってもらったので、修理費も高くなるだろうと思って、
財布を出すと、
「時間をかけてしまったので、今回はお金は受け取れません」
と違うスタッフの人に言われた。
こう言った「奇跡のやり取り」が現在でもあるのだ。
オレ様は島村楽器さんに感謝してもしきれない。
島村楽器さんは、オレ様の住むエリアに3店舗ある。
オレ様がやり取りをしている店舗は南船橋ビビットスクエア店である。
今回、担当になってくれた人は店長で「
糸山さん」と言う。
工房長の人は「駒木敦さん」と言う。
オレ様はこのご恩を絶対に忘れない。
金はいくらでも出せば、オールドの高いギターは買える。
しかし、この2本に関しては、もう値段では決められない。
オレ様の生涯のギターだからだ。
弾いてない時には弦を緩める様に。
ギターも睡眠を取るのである。